『流星花園〜花より男子〜』メルマガをつらつらみてたら、
「『薔薇之恋』 台湾版エミー賞The Golden Bell Awards 受賞」なる記事。可米制作有限公司おそるべし。吉村明美の『薔薇のために』までドラマ化してたとは。
『薔薇のために』は、太っていて不細工な少女が祖母を亡くして母親が実は売れっ子女優であることを知り、美形だけど性格の歪んだ兄姉たちと暮らし始めることからはじまる壮大な物語なんである。主人公は怠け者で離婚歴のある姉、青い目のやたらハンサムで死んだ婚約者を想い続ける兄、女性と見まがうばかりの容貌でオカマの弟、みな父親が違うらしい。兄弟たちに最初家政婦扱いをされていた少女は、いつの間にか皆に愛されるようになっていく。
典型的少女マンガの絵柄をベースにし、コメディ、ロマンス、ミステリをつめこみながらも、家族とか愛とか幸福とかいうテーマに直球勝負で挑んで成功し、なおかつバランスがとれている希有な作品と、私は勝手に評価している。次々と新たな登場人物を投入することによる手を替え品を替えのドタバタコメディをつづけながら、主人公である少女のロマンスと出生の謎解きミステリが進展していくので、文庫本で9巻と結構な長さがある。
80年代にバリバリのフェミニズムマンガ『麒麟館グラフティー』を描いた作者が、90年代になって向かった先は「無償の愛」なのだった。両作品とも「女の幸せ」をテーマにしているんだが、時代の変化か作者の変化か。
この作品も『花より男子』同様熱烈なファンが多い。台湾にも原作ファンページがあるのを発見したのは2003年2月のこと。
2003年制作のこのドラマ、
テレビ局のWEBサイトの登場人物紹介をみてみれば、やっぱり原作忠実路線らしいことが伺える。主人公の百合はS.H.E.のElla、可愛いアイドルのはずだが原作イメージ通りのおかっぱ頭の冴えない子になっている。残念ながら写真を見る限り、主人公が思いを寄せる兄・菫に黄志[王韋]は平面的な顔が苦しいかも。長姉の芙蓉、芙蓉を口説く漫画家猫吉はなかなかよろしい。無茶苦茶期待できるのが、弟・葵の鄭元暢。長髪で女の子っぽくて、でもカッコよくて原作そのまんま。主人公を振り向いてもらえないながらも明るく守り続け、原作でいちばん人気のキャラクターだったのが葵だったけど、鄭元暢もこの作品で大人気になったとか。かなり気になるぞ。
これは見たいぞ。いかん、これは『流星花園』をみはじめる前の状態である。日本でもまずスカパー!の中国語チャンネル(楽楽チャイナ)で放映するらしい。
1年以上放置されているとみられる
コミックリズの日本語ページをみるに『ツルモク独身寮』やら『流星花園』をきっかけに、日本で人気のマンガがやたらドラマ化されているよう。
台湾のページは現在つながらず。
日本で今、韓流に夢中な人たちが中国語ドラマにも手を伸ばす可能性は大きいとみる。わりと近い将来に日本語字幕つきで見えるんでないかと期待。