2008年03月31日

逝世5周年

新年度のはじまりはエイプリルフールであり、張國榮の命日である。

強烈な個性をもちながら、多くの人に深く愛された人物だった。もっとも不特定多数の迷にみえるのは明星の幻影のみ。それでもその姿は異彩をはなって魅力的であったし、サイン会や演唱会でわずかに交わしたアイコンタクトは未だに心に残っている。生前に彼を知ることができたことを、今となっては心から嬉しく思う。

日本での大成功を経て大明星となってから、その責任を果たし続けた生真面目な人物だったようにみえる。役にのめり込むタイプの役者であったことが悲劇のもとではなかったか。
昨今の香港芸能界の混乱と、トップクラスの俳優たちの世界的な大活躍のニュースをみるにつけ、この世は生ける者たちのものであることを感じずにはいられず、また今は亡き故人を思わずにはいられない。

同じ思いの迷たち、同僚たちが、未だに花を捧げているという。香港まで足を運ぶことは叶わずとも、最後の時期に大活躍した日本の片隅から、思いを馳せる。
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2004年09月13日

お誕生日だったということで、レスリー・チャン

そういうわけで、レスリー・チャン(張國榮)である。昨年のエイプリルフールに香港のホテルから飛び降りて命を絶った。鬱病だったという。

いまでも、彼がこの世にいないことの実感があまりない。まだ、どのように書いていけばいいのか、よくわからない。

人は時として、幻影(イメージ)を投影する対象を日常生活から外れたところに求める。簡単にいえば「萌え」たくなる。対象となるものは、神様だったりアニメや小説の登場人物だったり有名人だったり、そのほか人によっていろいろであろう。
芸能人とよばれる人々は、幻影を不特定多数の人に売っていくことを仕事としている。歌を歌うこと、踊ることは人の注目をあつめ、異性の場合には性的なメッセージをもあわせて惹きつける。俳優は演じることによって仮想的なイメージを伝える。現代において彼ら彼女らの姿はメディアによって大衆に広められる。大衆は多くの情報の中でも、個々のかかえる主観に適合するイメージをもった対象に引き寄せられ、「萌え」る。

人間は前に進もうとし新しいものを得ようとする。幻影についてもしかり。多くの場合大衆はさらに自分のイメージを深めようと、対象について多くの情報を得ようとする。芸能人は大衆の要求に応えていくために、イメージを次々と生産していく。大衆の要求が大きい場合には、メディアをとおしての歌や芝居などの作品だけではおいつかない。記者会見、バラエティ番組などは、強力な手段となる。コンサートや握手会など姿がじかにみえる機会では強烈な印象を大衆に届けることができる。ただ、要求が過剰になると、仕事外の私生活もゴシップ記事として好むと好まざるにかかわらず売り渡さざるを得なくなる。

レスリー・チャンは香港の芸能界を代表する存在であり、アジアや世界の中国人圏で大きな支持をうけていた。日本でも熱烈な迷の支持を集めていた。

レスリーは、自身の幻影が大衆にうけいれられていることを自覚しており、そして「我」という歌で「我就是我(私は私)」と高らかに歌いあげるように、その幻影を自身が納得いく自分に近づけようとあがいていたようにもみえる。そして、ついには人生をも大衆に渡してしまったようにもみえてならない。幻影を投影される側にある人として、完璧だった。

私もレスリーが発する幻影をうけとっていた大衆の一人でしかなく、これも私が彼に持つイメージでしかない。
ただ、一人の人が亡くなったというだけでなく、あれだけの仕事をなしてきた人なのに、もうこれ以上、新しく彼が放つ幻影をみることができない事実があることが、残念であり悲しい。
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2004年09月12日

キネカ大森でのレスリー・チャン トークショー

JR大森駅近くの西友のあるビルに、キネカ大森という映画館がはいっている。スーパーやらレストランやらがひしめくビルに所在するにもかかわらずアジア映画専門館を謳い、中華・韓国スターの切り抜きが貼られていたり、現地のVCD、日本で出版された関係書籍が販売されていたり、なかなかに個性的なオタク映画館となっている。上映プログラムも、客のしっかり入る東宝系ロードショーをおさえつつ、お好きな人でないと足を運ばないであろうアジア映画をレイトショー、ロードショーでかけてくれる。

この映画館、たまにアジア映画がらみのイベントをやってくれる。本日は故レスリー・チャン(張國榮)の48回目のお誕生日にちなんで松岡環さんのトークショーのあと、『欲望の翼』の上映であった。

入場料はお誕生日ということで1000円。映画館のスクリーンの前には松岡さんが持ってきたレスリーのパネルが飾られている。小さな写真にケーキとワインも供えられている。来場者にもワインとお菓子が気持ちばかりふるまわれる。松岡さんが香港で買ってきたというお菓子もあった。心づくしがいい。会場はレスリーファンの女性で埋め尽くされた。2,3人の友人同士で連れ立ってきている人が多い。年齢層はやや高めで40から50代とみられる人も多い。

日本のアジア芸能関係の書籍や雑誌で以前からよく名前をみかける松岡環さんである。直接話をきくのははじめてのこと。フライトアテンダントのようにお菓子を客席にふるまう姿に、仕事への姿勢みたいなものが垣間見えてとても感心する。本日のお話の中心は、死後出版された香港の出版物に書かれているレスリーの子供時代の家庭環境について。明言はされなかったもののかなりのレスリー迷というのがわかるお話しぶりであった。

映画『欲望の翼』はたぶん5,6年ぶりに観た。レスリー・チャン、マギー・チャン、アンディ・ラウ、カリーナ・ラウ、ジャッキー・チェン(学友のほうね)、トニー・レオン、それぞれがきっちり存在を主張しており、画面のざらついた美しさと相まって印象的な作品である。王家衛が撮るアンディ・ラウは抑えられていて、心情的なせつなさみたいなのも伝わってくる。レスリーはこの映画で香港電映金像奨の主演男優賞を受賞している。役どころと、生身のレスリーのイメージがあまりに重なることは、言われ尽くしている。しかし、この映画の邦題は今ひとつ。主人公となる若者たちがみていたのは欲望ではないと思うのですが。

さて、本日お誕生日だった張國榮。明星としてとんでもなくすごい人で、松岡環さんによると香港では香港文化の中での位置づけを探る試みも行われているという。私もとっても思い入れがある、別格の明星なんである。そのうち気が向いたら、つらつら書いてみたい。
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2008年03月31日

逝世5周年

新年度のはじまりはエイプリルフールであり、張國榮の命日である。

強烈な個性をもちながら、多くの人に深く愛された人物だった。もっとも不特定多数の迷にみえるのは明星の幻影のみ。それでもその姿は異彩をはなって魅力的であったし、サイン会や演唱会でわずかに交わしたアイコンタクトは未だに心に残っている。生前に彼を知ることができたことを、今となっては心から嬉しく思う。

日本での大成功を経て大明星となってから、その責任を果たし続けた生真面目な人物だったようにみえる。役にのめり込むタイプの役者であったことが悲劇のもとではなかったか。
昨今の香港芸能界の混乱と、トップクラスの俳優たちの世界的な大活躍のニュースをみるにつけ、この世は生ける者たちのものであることを感じずにはいられず、また今は亡き故人を思わずにはいられない。

同じ思いの迷たち、同僚たちが、未だに花を捧げているという。香港まで足を運ぶことは叶わずとも、最後の時期に大活躍した日本の片隅から、思いを馳せる。
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2004年09月13日

お誕生日だったということで、レスリー・チャン

そういうわけで、レスリー・チャン(張國榮)である。昨年のエイプリルフールに香港のホテルから飛び降りて命を絶った。鬱病だったという。

いまでも、彼がこの世にいないことの実感があまりない。まだ、どのように書いていけばいいのか、よくわからない。

人は時として、幻影(イメージ)を投影する対象を日常生活から外れたところに求める。簡単にいえば「萌え」たくなる。対象となるものは、神様だったりアニメや小説の登場人物だったり有名人だったり、そのほか人によっていろいろであろう。
芸能人とよばれる人々は、幻影を不特定多数の人に売っていくことを仕事としている。歌を歌うこと、踊ることは人の注目をあつめ、異性の場合には性的なメッセージをもあわせて惹きつける。俳優は演じることによって仮想的なイメージを伝える。現代において彼ら彼女らの姿はメディアによって大衆に広められる。大衆は多くの情報の中でも、個々のかかえる主観に適合するイメージをもった対象に引き寄せられ、「萌え」る。

人間は前に進もうとし新しいものを得ようとする。幻影についてもしかり。多くの場合大衆はさらに自分のイメージを深めようと、対象について多くの情報を得ようとする。芸能人は大衆の要求に応えていくために、イメージを次々と生産していく。大衆の要求が大きい場合には、メディアをとおしての歌や芝居などの作品だけではおいつかない。記者会見、バラエティ番組などは、強力な手段となる。コンサートや握手会など姿がじかにみえる機会では強烈な印象を大衆に届けることができる。ただ、要求が過剰になると、仕事外の私生活もゴシップ記事として好むと好まざるにかかわらず売り渡さざるを得なくなる。

レスリー・チャンは香港の芸能界を代表する存在であり、アジアや世界の中国人圏で大きな支持をうけていた。日本でも熱烈な迷の支持を集めていた。

レスリーは、自身の幻影が大衆にうけいれられていることを自覚しており、そして「我」という歌で「我就是我(私は私)」と高らかに歌いあげるように、その幻影を自身が納得いく自分に近づけようとあがいていたようにもみえる。そして、ついには人生をも大衆に渡してしまったようにもみえてならない。幻影を投影される側にある人として、完璧だった。

私もレスリーが発する幻影をうけとっていた大衆の一人でしかなく、これも私が彼に持つイメージでしかない。
ただ、一人の人が亡くなったというだけでなく、あれだけの仕事をなしてきた人なのに、もうこれ以上、新しく彼が放つ幻影をみることができない事実があることが、残念であり悲しい。
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2004年09月12日

キネカ大森でのレスリー・チャン トークショー

JR大森駅近くの西友のあるビルに、キネカ大森という映画館がはいっている。スーパーやらレストランやらがひしめくビルに所在するにもかかわらずアジア映画専門館を謳い、中華・韓国スターの切り抜きが貼られていたり、現地のVCD、日本で出版された関係書籍が販売されていたり、なかなかに個性的なオタク映画館となっている。上映プログラムも、客のしっかり入る東宝系ロードショーをおさえつつ、お好きな人でないと足を運ばないであろうアジア映画をレイトショー、ロードショーでかけてくれる。

この映画館、たまにアジア映画がらみのイベントをやってくれる。本日は故レスリー・チャン(張國榮)の48回目のお誕生日にちなんで松岡環さんのトークショーのあと、『欲望の翼』の上映であった。

入場料はお誕生日ということで1000円。映画館のスクリーンの前には松岡さんが持ってきたレスリーのパネルが飾られている。小さな写真にケーキとワインも供えられている。来場者にもワインとお菓子が気持ちばかりふるまわれる。松岡さんが香港で買ってきたというお菓子もあった。心づくしがいい。会場はレスリーファンの女性で埋め尽くされた。2,3人の友人同士で連れ立ってきている人が多い。年齢層はやや高めで40から50代とみられる人も多い。

日本のアジア芸能関係の書籍や雑誌で以前からよく名前をみかける松岡環さんである。直接話をきくのははじめてのこと。フライトアテンダントのようにお菓子を客席にふるまう姿に、仕事への姿勢みたいなものが垣間見えてとても感心する。本日のお話の中心は、死後出版された香港の出版物に書かれているレスリーの子供時代の家庭環境について。明言はされなかったもののかなりのレスリー迷というのがわかるお話しぶりであった。

映画『欲望の翼』はたぶん5,6年ぶりに観た。レスリー・チャン、マギー・チャン、アンディ・ラウ、カリーナ・ラウ、ジャッキー・チェン(学友のほうね)、トニー・レオン、それぞれがきっちり存在を主張しており、画面のざらついた美しさと相まって印象的な作品である。王家衛が撮るアンディ・ラウは抑えられていて、心情的なせつなさみたいなのも伝わってくる。レスリーはこの映画で香港電映金像奨の主演男優賞を受賞している。役どころと、生身のレスリーのイメージがあまりに重なることは、言われ尽くしている。しかし、この映画の邦題は今ひとつ。主人公となる若者たちがみていたのは欲望ではないと思うのですが。

さて、本日お誕生日だった張國榮。明星としてとんでもなくすごい人で、松岡環さんによると香港では香港文化の中での位置づけを探る試みも行われているという。私もとっても思い入れがある、別格の明星なんである。そのうち気が向いたら、つらつら書いてみたい。
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