2004年11月02日

『夢遊ハワイ』(「台湾映画と日本」・台湾映画上映会)

『夢遊ハワイ』が上映されるというので早稲田大学に足を伸ばす。東京国際映画祭で上映された作品である。

話を進めるのは兵役中の少年、といっていいくらいの若者二人。頭のおかしいふとっちょの後輩が脱走し、退役を間近に控えた二人が探しにいくことになる。みんな女の子が気になるお年頃。脱走したふとっちょは雑誌のモデルを彼女だと思いこみ、彼を追う一人は見知らぬ女の子を口説く趣味があり、もう一人は小学校の時の憧れの女の子を捜す。

やや暗めの画面。内省的でのどかな、田舎を舞台にした台湾映画らしい台湾映画である。なんということのない、若者成長物語なのだが、兵役という台湾の若者独自の事情を背景に上手につかっている。若いいちばん充実した時期の退屈な時間。美しい映像をみせている。水色に光るガードレールがきれい。

主演の男の子はトニー・ヤン(楊祐寧)とホワン・ホンセン(黄鴻升)。二人とも台湾のトップアイドルだが演技経験はそれほど多くはない、という。男性アイドルグループ花盛りの台湾だがホワン・ホンセンは『丸子』というユニットにいるらしい。短髪の台湾アイドルって、新鮮。二人ともハンサムだが個性を描きわけているってわけでもないんで、どっちがどっちの役だったか、いまひとつ区別がついていなかったりする。映画としては、どっちでもいいのかも。

若者映画ということで、先日観た『狂放』とつい、比較してしまうが、作品として成功しているのは本作品のほう。ストーリーに無理はあるが、物語に広がりがある。ホワン・ホンセンは『狂放』にも主演しているが、『夢遊ハワイ』でのほうがのびのびしてかわいらしい。役柄故、というよりも監督の撮り方にもその理由があるようだ。監督は演技経験の浅い役者たちに、自由に演技をさせて、編集していったという。これは現在の台湾でよく使われる手法とのこと。監督のキャリア故か。

そうはいってもこの作品も観る人を選ぶ映画だろう。台湾映画独特の芸術性が強いんである。台湾映画を見慣れていない人には90分がつらいかもしれない。日本での公開は決まっていない、という。
台湾での一般公開はこれから、ということだがトップアイドルが芸術映画にでることの効果というか反響が気になる。
トニー・ヤンについては、ポップアジア53号によると『十七歳的天空』の日本公開が予定されているらしい。台湾で大受けした十代のゲイ・コメディで、シンガポールでは上映禁止になったとか。テーマソングも軽やかで、とっても気になる1本

シュー・フーチュン監督と『時の流れの中で』のチェン・ウェン・タン監督が来場しており、観客からのQ&Aもあった。台湾の兵役のことなど、台湾に関するややかためのディスカッションが多かった。娯楽としてよりも文化としてみる映画という雰囲気だったが、これも悪くない。何故ハワイなのか、というとどうやら監督の憧れの場所らしい。撮影場所は台東ということ。
早稲田大学台湾研究所の主催。大衆文化の映画をアカデミズムに持ち込むのはなかなか大変でしょうが、よい企画です。これからもがんばってください。


『夢遊ハワイ』
(監督:シュー・フーチュン 2004年)
posted by 夏居 at 00:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック

2004年11月02日

『夢遊ハワイ』(「台湾映画と日本」・台湾映画上映会)

『夢遊ハワイ』が上映されるというので早稲田大学に足を伸ばす。東京国際映画祭で上映された作品である。

話を進めるのは兵役中の少年、といっていいくらいの若者二人。頭のおかしいふとっちょの後輩が脱走し、退役を間近に控えた二人が探しにいくことになる。みんな女の子が気になるお年頃。脱走したふとっちょは雑誌のモデルを彼女だと思いこみ、彼を追う一人は見知らぬ女の子を口説く趣味があり、もう一人は小学校の時の憧れの女の子を捜す。

やや暗めの画面。内省的でのどかな、田舎を舞台にした台湾映画らしい台湾映画である。なんということのない、若者成長物語なのだが、兵役という台湾の若者独自の事情を背景に上手につかっている。若いいちばん充実した時期の退屈な時間。美しい映像をみせている。水色に光るガードレールがきれい。

主演の男の子はトニー・ヤン(楊祐寧)とホワン・ホンセン(黄鴻升)。二人とも台湾のトップアイドルだが演技経験はそれほど多くはない、という。男性アイドルグループ花盛りの台湾だがホワン・ホンセンは『丸子』というユニットにいるらしい。短髪の台湾アイドルって、新鮮。二人ともハンサムだが個性を描きわけているってわけでもないんで、どっちがどっちの役だったか、いまひとつ区別がついていなかったりする。映画としては、どっちでもいいのかも。

若者映画ということで、先日観た『狂放』とつい、比較してしまうが、作品として成功しているのは本作品のほう。ストーリーに無理はあるが、物語に広がりがある。ホワン・ホンセンは『狂放』にも主演しているが、『夢遊ハワイ』でのほうがのびのびしてかわいらしい。役柄故、というよりも監督の撮り方にもその理由があるようだ。監督は演技経験の浅い役者たちに、自由に演技をさせて、編集していったという。これは現在の台湾でよく使われる手法とのこと。監督のキャリア故か。

そうはいってもこの作品も観る人を選ぶ映画だろう。台湾映画独特の芸術性が強いんである。台湾映画を見慣れていない人には90分がつらいかもしれない。日本での公開は決まっていない、という。
台湾での一般公開はこれから、ということだがトップアイドルが芸術映画にでることの効果というか反響が気になる。
トニー・ヤンについては、ポップアジア53号によると『十七歳的天空』の日本公開が予定されているらしい。台湾で大受けした十代のゲイ・コメディで、シンガポールでは上映禁止になったとか。テーマソングも軽やかで、とっても気になる1本

シュー・フーチュン監督と『時の流れの中で』のチェン・ウェン・タン監督が来場しており、観客からのQ&Aもあった。台湾の兵役のことなど、台湾に関するややかためのディスカッションが多かった。娯楽としてよりも文化としてみる映画という雰囲気だったが、これも悪くない。何故ハワイなのか、というとどうやら監督の憧れの場所らしい。撮影場所は台東ということ。
早稲田大学台湾研究所の主催。大衆文化の映画をアカデミズムに持ち込むのはなかなか大変でしょうが、よい企画です。これからもがんばってください。


『夢遊ハワイ』
(監督:シュー・フーチュン 2004年)
posted by 夏居 at 00:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。