強烈な個性をもちながら、多くの人に深く愛された人物だった。もっとも不特定多数の迷にみえるのは明星の幻影のみ。それでもその姿は異彩をはなって魅力的であったし、サイン会や演唱会でわずかに交わしたアイコンタクトは未だに心に残っている。生前に彼を知ることができたことを、今となっては心から嬉しく思う。
日本での大成功を経て大明星となってから、その責任を果たし続けた生真面目な人物だったようにみえる。役にのめり込むタイプの役者であったことが悲劇のもとではなかったか。
昨今の香港芸能界の混乱と、トップクラスの俳優たちの世界的な大活躍のニュースをみるにつけ、この世は生ける者たちのものであることを感じずにはいられず、また今は亡き故人を思わずにはいられない。
同じ思いの迷たち、同僚たちが、未だに花を捧げているという。香港まで足を運ぶことは叶わずとも、最後の時期に大活躍した日本の片隅から、思いを馳せる。