フランスの若い精神科の女医が中年女性患者にいれこみ、挙げ句の果てに患者の故郷のアイスランドまでおっかける、というお話。共依存というよりも、フランス女医版『ブラックジャックによろしく』といったほうがよろしかろう。テレビで妻夫木聡が『ブラックジャック。。。』をやってた頃に公開されていたら、それにからめての宣伝もありだったかもしれない。だが、舞台が寒い寒い冬のアイスランドのせいか『ブラックジャック。。。』みたいな爽やかさはない。主人公の二人の関係は女医の思いこみのほうが強く描かれている。これを共依存というのかはよくわからん。
患者役のディッダ・ヨンスドッティルがすごい。口をきかない精神に異常をきたした女性そのもの。いったいこれはノンフィクションなのか、と思うほど。が、女医のエロディ・ブシェーズ が女優然としていて、迫力がないため、フィクションとわかる。衣装はお洒落でかわいいんだが、ここにかわいいをもってくるのは違うだろう。ディッダ・ヨンスドッティルは案の定、本職の女優さんではなく本業はアイスランドの詩人。彼女の熱演によって、人が生きる上での生きにくさをとりあげた映画としては成功している。
陽のあたる場所から
監督:ソルヴェイグ・アンスパック
フランス=アイスランド=ベルギー 2003年
http://www.bitters.co.jp/hinoataru/index.html