2006年03月27日

F4@香港

唐突だが、オリンピックというものがどうも好きになれない。いや、荒川静香のフィギュアスケートの舞台はとりあえずテレビでみた。ジャンプの原田雅彦の、惨めさと格好よさの境目をいく懸命さには心打たれる。が、どうも苦手なんである。勝者が一人或いは一組であることが。「日本」「JAPAN」と連呼する公然としたナショナリズムが。アイデンティティの拠り所として国家はたしかに存在するのが現実だ。だが競い合うよりも、手を取り合うほうがいい。

F4の、香港はホンハムでのコンサートである。4人の美青年を見るために東アジア各国の女の子たちが集まっている。地元香港はもちろん、中国本土、シンガポール、韓国、台湾、インドネシア、合衆国、フィリピン、タイ、マレーシア、そして日本から。黄色い声をはりあげながら、みんなすごく幸せそうなのだ。
彼女たちに応えて精一杯のパフォーマンスをみせる中華系青年4人。押しも押されぬアジアのスーパースターなのだが、完璧ではない。過去のステージと比べると随分と洗練されているのだが、それでもどこかに素人っぽさが残ったり危なっかしさが漂っている。が、むしろその危うさが魅力となり、一層の声援をよぶ。ジェリー・イェンは、実に美しい、お人形のようなといってもいいくらいの男だが、歌の音程は怪しい。にもかかわらず「Jerry、Jerry、」と大声援をうける。

日本からも多くの観客がきていた。ヴァネス・ウーが日本語で歌う「悲しみにさよなら」では、香港体育館中に日本語の唱和がおきた。日本人女子が彼らにみているのは、ただルックスや、ドラマ『流星花園』の延長だけではない。おそらくは外国への憧れとアジア圏への愛着が含まれる。理屈抜きの感情は、とんでもないパワーをもつ。楽しみを分け合うことにむかうのは、とても幸せなことである。

全4公演のうち2日目と3日目をみてきた。4人が一緒にステージにたっているのをみることができ、行った甲斐があったというもの。昔の公演では大きな紫色のミノムシだった仔仔は、ずいぶん立派に成長した。いや、そうではなくて、きっちりと客席をみつめて歌うステージマナーを身につけているという意味で。レスリー・チャンの曲のメドレーをF4が歌う演出にはしみじみした。香港・中華圏の大衆エンターテイメントに多大な貢献をし、ホンハムを沸かせたレスリーはもうこの世にいない。が、その精神は若い世代の大スターに引き継がれているのだということ。

これだけ日本で人気なのだから、日本公演があるのは間違いないと推測する。3時間の公演を2時間に縮める必要があるが、レスリー・メドレーははずさないでほしいというのが希望。
posted by 夏居 at 22:14| Comment(1) | F4 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いいくらい拠り所を成長されたはず。


Posted by BlogPetのヴァネ at 2006年03月31日 09:52
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

2006年03月27日

F4@香港

唐突だが、オリンピックというものがどうも好きになれない。いや、荒川静香のフィギュアスケートの舞台はとりあえずテレビでみた。ジャンプの原田雅彦の、惨めさと格好よさの境目をいく懸命さには心打たれる。が、どうも苦手なんである。勝者が一人或いは一組であることが。「日本」「JAPAN」と連呼する公然としたナショナリズムが。アイデンティティの拠り所として国家はたしかに存在するのが現実だ。だが競い合うよりも、手を取り合うほうがいい。

F4の、香港はホンハムでのコンサートである。4人の美青年を見るために東アジア各国の女の子たちが集まっている。地元香港はもちろん、中国本土、シンガポール、韓国、台湾、インドネシア、合衆国、フィリピン、タイ、マレーシア、そして日本から。黄色い声をはりあげながら、みんなすごく幸せそうなのだ。
彼女たちに応えて精一杯のパフォーマンスをみせる中華系青年4人。押しも押されぬアジアのスーパースターなのだが、完璧ではない。過去のステージと比べると随分と洗練されているのだが、それでもどこかに素人っぽさが残ったり危なっかしさが漂っている。が、むしろその危うさが魅力となり、一層の声援をよぶ。ジェリー・イェンは、実に美しい、お人形のようなといってもいいくらいの男だが、歌の音程は怪しい。にもかかわらず「Jerry、Jerry、」と大声援をうける。

日本からも多くの観客がきていた。ヴァネス・ウーが日本語で歌う「悲しみにさよなら」では、香港体育館中に日本語の唱和がおきた。日本人女子が彼らにみているのは、ただルックスや、ドラマ『流星花園』の延長だけではない。おそらくは外国への憧れとアジア圏への愛着が含まれる。理屈抜きの感情は、とんでもないパワーをもつ。楽しみを分け合うことにむかうのは、とても幸せなことである。

全4公演のうち2日目と3日目をみてきた。4人が一緒にステージにたっているのをみることができ、行った甲斐があったというもの。昔の公演では大きな紫色のミノムシだった仔仔は、ずいぶん立派に成長した。いや、そうではなくて、きっちりと客席をみつめて歌うステージマナーを身につけているという意味で。レスリー・チャンの曲のメドレーをF4が歌う演出にはしみじみした。香港・中華圏の大衆エンターテイメントに多大な貢献をし、ホンハムを沸かせたレスリーはもうこの世にいない。が、その精神は若い世代の大スターに引き継がれているのだということ。

これだけ日本で人気なのだから、日本公演があるのは間違いないと推測する。3時間の公演を2時間に縮める必要があるが、レスリー・メドレーははずさないでほしいというのが希望。
posted by 夏居 at 22:14| Comment(1) | F4 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いいくらい拠り所を成長されたはず。


Posted by BlogPetのヴァネ at 2006年03月31日 09:52
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: