なのに、なんでこうなるのやら。なんで柔道なのか。黒社会がでてくるのか。タレント志望の女の子を登場させる必然性はどこにあるのか。結局なんなのやら。柔道を素材にした目の付け所は悪くないのに消化できてない。黒澤明でなくってアテネオリンピックに触発されて3日でつくったんと違うか、とつっこみたくなったのは私だけか。香港公開は7月8日ということなんでさすがにそれはないはず。
そうか、ジョニー・トーっていうんで『ザ・ミッション 非情の掟』とか『暗戦 デッド・エンド』を期待した私が悪かった。そういえばジョニー・トーってイーキンがマジシャンになる『暗戦 リターンズ』なんてのも撮ってたし。
純粋に香港オバカ映画として見れば、夜の路上でみんなでスーツ着て組み手やってたりして楽しい。あーろんの髪型はマンガチックだし。黒澤明の『姿三四郎』を見た上で見ればそれなりに見所満載なのかもしれないし。
でも、この作品をひっさげて「香港映画最前線~鬼才ジョニー・トーの映画術」って、いいのか。
『柔道龍虎榜』
監督:ジョニー・トー(杜[王其]峰) 香港 2004年