2004年11月10日

『2046』について少々

いまさら『2046』なのであった。一回見ただけでどうこういえる作品ではないが、少々。
芸術性は高いことは誰しも認めるところであろうものの、好みがわかれる作品であることは間違いない。トニー・レオン扮する女遊びを得意とする文筆家が主人公なのはいいが、時間軸がやたらととぶから話がみえない。登場人物たちの評価も、観客ごとに異なるであろう。豪華キャストの抽象的な作品である。

王家衛作品を見続けてきて、王家衛的世界が好きな人にとっては好感が持てる作品だ。なにしろ『花様年華』『欲望の翼』『天使の涙』『恋する惑星』『ブエノスアイレス』あたりがごっちゃになったような映画である。冒頭のSFチックな映像には、そうきたか、と思わせられた。しかし中盤から後半にかけて、だれてくる。
女たちは美しい。特にアンドロイドになった女たち。SF映画ではよくある設定であるが、王家衛、ウィリアム・チョン、クリストファー・ドイル(本作品では撮影というより撮影監督らしい)ら『天使の涙』チームならではのアンドロイドっぷりである。カレン・モクのぶっとび金髪女が頭に浮かぶ。ただ、もっと各人の個性があってもいいのでないか。
好みは人それぞれだろうが、私の好みはフェイ・ウォン。歌手が本業であり演技にそれほど力をいれているとは思えない彼女だが、王家衛の映画にはその固さが妙にはまる。チャン・ツィイーは見所満載。かーりんのご登場は『欲望の翼』好きにはたまらない。コン・リーもさいごにでてくる。マギー・チャンはあくまでもゲスト。ドン・ジェは印象に残らなかった。豪華な顔ぶれであるが、チャン・ツィイーとドン・ジェの二人の若手以外はすでにこの監督の作品に出演済みなのであった。
男優陣は女優陣とくらべると、物足りない。トニーさんは、あちこちで褒められてるが、要はスケベ親父ではないか。余裕ありすぎと思うのは私だけか。キムラ氏は、面長で目の表情などがどことなくトニーさんに似ているが故に起用されたと思われる。チャン・チェンは、いたっけ? といった程度しかでていない。
王家衛もすっかり巨匠である。初期のころにあった青さはすっかり抜けてしまって、なんだかもう、一緒に歳とっていこうよ、といった感じの作品が続く。大陸の大家たちみたいに落ち着いてほしくはないんだが、仕方があるまい。次作もトニーさん主演らしいし。『2046』では、それなりに新しいものをとりいれようと、昔のロードムービーっぽい感覚をだそうと試みたんではないか、とも思える。

理由は何であれ、アジア圏の映画がつぎつぎと日本で注目を集めている。わるいこっちゃないだろう。カンヌの権威に弱いんでも話題先行でもよかろう。


『2046』
(監督:ウォン・カーウァイ 2004年 香港)
posted by 夏居 at 23:58| Comment(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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2004年11月10日

『2046』について少々

いまさら『2046』なのであった。一回見ただけでどうこういえる作品ではないが、少々。
芸術性は高いことは誰しも認めるところであろうものの、好みがわかれる作品であることは間違いない。トニー・レオン扮する女遊びを得意とする文筆家が主人公なのはいいが、時間軸がやたらととぶから話がみえない。登場人物たちの評価も、観客ごとに異なるであろう。豪華キャストの抽象的な作品である。

王家衛作品を見続けてきて、王家衛的世界が好きな人にとっては好感が持てる作品だ。なにしろ『花様年華』『欲望の翼』『天使の涙』『恋する惑星』『ブエノスアイレス』あたりがごっちゃになったような映画である。冒頭のSFチックな映像には、そうきたか、と思わせられた。しかし中盤から後半にかけて、だれてくる。
女たちは美しい。特にアンドロイドになった女たち。SF映画ではよくある設定であるが、王家衛、ウィリアム・チョン、クリストファー・ドイル(本作品では撮影というより撮影監督らしい)ら『天使の涙』チームならではのアンドロイドっぷりである。カレン・モクのぶっとび金髪女が頭に浮かぶ。ただ、もっと各人の個性があってもいいのでないか。
好みは人それぞれだろうが、私の好みはフェイ・ウォン。歌手が本業であり演技にそれほど力をいれているとは思えない彼女だが、王家衛の映画にはその固さが妙にはまる。チャン・ツィイーは見所満載。かーりんのご登場は『欲望の翼』好きにはたまらない。コン・リーもさいごにでてくる。マギー・チャンはあくまでもゲスト。ドン・ジェは印象に残らなかった。豪華な顔ぶれであるが、チャン・ツィイーとドン・ジェの二人の若手以外はすでにこの監督の作品に出演済みなのであった。
男優陣は女優陣とくらべると、物足りない。トニーさんは、あちこちで褒められてるが、要はスケベ親父ではないか。余裕ありすぎと思うのは私だけか。キムラ氏は、面長で目の表情などがどことなくトニーさんに似ているが故に起用されたと思われる。チャン・チェンは、いたっけ? といった程度しかでていない。
王家衛もすっかり巨匠である。初期のころにあった青さはすっかり抜けてしまって、なんだかもう、一緒に歳とっていこうよ、といった感じの作品が続く。大陸の大家たちみたいに落ち着いてほしくはないんだが、仕方があるまい。次作もトニーさん主演らしいし。『2046』では、それなりに新しいものをとりいれようと、昔のロードムービーっぽい感覚をだそうと試みたんではないか、とも思える。

理由は何であれ、アジア圏の映画がつぎつぎと日本で注目を集めている。わるいこっちゃないだろう。カンヌの権威に弱いんでも話題先行でもよかろう。


『2046』
(監督:ウォン・カーウァイ 2004年 香港)
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